出所:日経ビジネス 特集 『便乗時短 やってはいけない働き方改革』(2017.7.24号 p.37)
- これまでのお話〜昨今の労働時間短縮化の風潮に対するこれでいいのか感
- 今回のお話〜日経ビジネス 特集 『便乗時短 やってはいけない働き方改革』(2017.7.24号)を読んで
- それは働き方改革じゃないだろ事件簿
- まとめ
これまでのお話〜昨今の労働時間短縮化の風潮に対するこれでいいのか感
日々普通ではない残業をしつつ、配下メンバーの残業時間は気にしている中間管理職なおれとして、昨今の労働時間短縮化の動きに思うことがあり、つらつら語ってた。
語ってた内容はというと。
要は、働き方改革の名のもと、「18時なので帰ります〜」みたいなことをやってる人をちらほら見かけるが、本当にいいのか?と。
「ばっちり成果出したんで、18時で帰ります〜」になんなきゃダメなんじゃないか。そうでないと成長も鈍化し生産性もあがんないわ(経験曲線の立ち上がりに日数を要する)、新しいものも生まれなくなるんじゃ、ということを書いた。
"時間"あたりの"成果"をあげてく必要がある、っていうのが社会の風潮としてあるのはわかるし、働く身としてもそうしていかないとならないと思う、過度な残業を抑止する必要があるしハラスメントも撲滅されるべきと思う。
それに、働く時間が長くなればなるほど給料が増える残業代という制度もまた、おかしなものだと感じてる。ただ、一人一人があげる"総成果量"を減らしてはならない。このことを意識している人がどのくらいいるのだろう。
明日できることは明日に、って、早く帰る建前としてはごもっともだけど、それを今日やっていれば明日はまた新しい価値を生み出せたわけで。
そんなふうに1日1日の後回しが、雪だるま式に膨らんでいって、結果日本人1人1人の"総成果量"が大きく減って、グローバルで見た時の競争力の減退とか、経済の縮小とか、そういうふうになるんじゃないかと気になる。
あとは、残業は残業で多くの時間をつぎこんできたことによって、成長した(自分の仕事の1時間あたり生産性があがった)と思える面もあったりする。
その経験を積む時間をカットすることで、いままでの人たちと比べると全体の成長のスピードは鈍化するだろう。
そして恐らく、長時間働くことで成長してきたような層はいなくなるので、いまよりもっとできる天才的な人と、普通の人との差は広がる気もする。別に、長時間労働推奨派でもなんでもないけど、それを乗り越えて伸びてきた気もしている自分にとっては、すべての残業は0になるべきもの、のような語られ方をすると、違和感を感じざるを得ないのだった。
今回のお話〜日経ビジネス 特集 『便乗時短 やってはいけない働き方改革』(2017.7.24号)を読んで
おれが言いたかったことが現実でも起きているというような記事だったので記録。
それは働き方改革じゃないだろ事件簿
仕事量を維持しながら労働時間を減らす。これが本来の働き方改革のはず。だが現実には、労働時間の減少に伴い、仕事量まで急減している企業が少なくない。
全国で実際に起きている「トンデモ働き方改革」の実例を紹介する。
そう。仕事量を維持しながら労働時間を減らす。これが本来の働き方改革のはず。
①噂のイクメン社員の「裏の顔」事件
- 経営者の見解
定時で帰るイクメン。リポートは量産。君こそ、働き方改革のロールモデルだ!
- 真相は…
やるべき仕事を海外拠点に丸投げ。本人はプライベートを満喫
- おれの見解
は?
②毎日夕方は「避難訓練」事件
- 経営者の見解
定時に誰もいない!その気になればいくらでも効率化できるじゃないか!
- 真相は…
午後4時45分以降の顧客のメールは見ない。
顧客からの注文は翌日に先送り。定時5分前から帰る準備。
- おれの見解
は?
③「トラックボール回し」が仕事事件
- 経営者の見解
在宅勤務は働き方改革の象徴だ!でも、最近、制度利用者の動きがどうも鈍い気が…
- 真相は…
指先だけ動かし仕事のアリバイ作り。
ITを駆使した遠隔管理システムを驚くほどアナログな方法で欺く
- おれの見解
はぁ?
④新工場建設はいつになるやら事件
- 経営者の見解
大事な新工場プロジェクト。入念にリスクを洗い出し、十分な検討をしているようだな!
- 真相は…
大事な会議も強制消灯で打ち切り。終業時間に電気が消えるやたちまち議論は先送り
- おれの見解
はぁ?
⑤ 「ここは居酒屋かよ!」事件
- 経営者の見解
販売が苦戦しているのはあくまで景気の影響。効率化でそのうち利益も出るだろう
- 真相は…
働き方改革で奇妙な制度が出現。終業2時間前にラストオーダー。営業できる時間が2時間短縮
- おれの見解
はぁ?
まとめ
はぁ?
"働きたいおじさん"は命の無駄遣い、"クラッシャー上司"も周りに悪影響でだめ、"便乗時短社員"も"働かないオジサン"も論外。
すべからく"エース社員"になることを求められてるのがいまのご時世の働き方改革であるべき。
いまの残業時間制限だけだと、"エース社員"
も"一般社員"も、"便乗時短社員""働かないオジサン"になってくだろうな。だってラクだしトクだもん。
それが評価に適正に反映されないのであれば。
適当だけど、"エース社員"は"働かないオジサン"の4倍、"働かないオジサン""便乗時短社員"は"一般社員"の半分の給料とか、メリハリつけないと、すべてがバカらしくなるだろうな。
ズルしてラクしてトクする動きをする人間、ほんと大嫌い。
働き方改革ってどうあるべきか。
おれはどう働くか。
考えないと。
いま読んでる途中だけど、日本社会全体の"やり抜く力"もまた減っていくのだろうなあ。

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続く